指先冷たい
始まってしまった、月曜日。
GWはあんなに暖かかったのに、今日はなんだか肌寒い。
上着がもう一枚必要だったかな、なんて考えながら駅までの道を歩く。
電車に乗って窓に映った自分と目が合う。
昨日の寝不足で目の下を黒くした、妖怪アンテナのような寝癖がついている眠そうな顔をした女。
いつものことながらすっぴんなので華やかさなんてものはない。
電車に揺られているときに一通の連絡がきた。
「ごめん、寝坊した( ; ; )遅刻する( ; ; )」
もう見慣れた連絡に
「わかった〜」
と返す。
到着すると1人でポツポツ用意をし、時間になるまで自分のデスクでぼーっとしていた。まだ誰も来ていない。
今何者かが侵入してきて襲われたら私1人だけ被害被れるな、いきなり外から大きな鳥が窓ガラスを割って入ってきたらどう戦おう、もし今、急病で倒れたらどうなるんだろう、1人の時は現実的な妄想も非現実的な妄想も捗る。
そんなくだらない妄想をぐるぐると巡らせていると時間になった。トボトボと大量の紙を持って移動する。
やっぱり今日は肌寒い。
気温が低いと気持ちが落ち込んでいるのも激しくなるような気がする。
あー、やっぱりしんどいな。何もかもやめてしまいたい。
嫌だ嫌だと考えながら、まだ人の少ない部屋でゆっくり今日の準備を進めていった。