強い女
私は超絶強い女のようだ。
自分の3倍以上ある男を投げ倒しまくり、銃を乱射する。撃った弾は全て敵に当たり、前へ前へと進んでいく。
進んでいる途中、横から男にタックルをされド派手に倒れた。
男と私は砂埃の舞う地面でゴロゴロと掴み合った。
男の上に馬乗りになり額に銃を構えた。
「その銃は弾切れだろ?」
男が笑いながら言う。しかし私は怯まなかった。
「弾が無くなったなら詰めればいいんだよ」
そう言って私は銃口を男の頭の横、地面をゴリゴリ、ゴリゴリ、と削り、銃口に少し砂が詰まる毎に空撃ちした。すると4〜5発目で砂が銃弾に変化した。
男はそんな馬鹿な話があるか、と言わんばかりに目を見開き、私の下から逃れようとした。
だが私に頭を掴まれ、顎下を撃ち抜かれ、力尽きた。
私は満足した表情で次の場所へ向かう。
次に着いた場所は大きな調理場だった。しかしキッチンに乗っているのは私の小学生の時の友人。彼女は焼豚のように、太い紐で身体を縛られ、虚ろな目で床を眺めていた。
ここのコック長のような男に
「この子を内緒で調理してください。誰にも内緒でね。」
と言われた。
私は特別仲良くもなかった彼女を大きな鍋に入れ、醤油やみりん、砂糖などの調味料を加えて煮込んだ。
しばらく蓋をして煮込んでいると赤黒い液体がグツグツと鍋から沸き立ってきた。
煮込みすぎたか、と焦りながら蓋を開けると彼女の肉は全て溶け、骨だけが残ってしまっていた。
私は自分が友人を生きたまま鍋に放り込んだことよりも、調理を失敗したことでどんな罰を食らわせられるのかと青ざめた。
私はなぜかコック長にバレないように彼女の骨を無くなるまでしゃぶりつくし、なかった事にしようと頑張った。
しかし隠せるはずもなくコック長にバレた。
「内緒は守れたんだね」
そう言われたところで目が覚めた。
これは今日眠っている間に見た夢だ。
なんとも気色の悪い夢だった。
今日はいい夢が見たい。